植物は虫に葉を食べられると、
虫の天敵を呼び寄せる物質を出して食害から身を守ろうとする。
京都大学で生態学を研究する高林純示教授らの研究チームがこの度、
キャベツでこの様子を観察。
その結果、キャベツがオオカミ少年であることが分かった。
まず、キャベツがモンシロチョウの幼虫に食べられた時。
このときはキャベツが出す天敵を呼び寄せる物質はモンシロチョウに食べられた分に比例する。
ところが、コナガの幼虫に食べられた時、
キャベツはまるでオオカミ少年のように、
食べられた量に関係無く天敵を呼び寄せる物質を大量に出し、
コナガの幼虫の天敵であるハチを多く呼び寄せることがわかった。
研究チームは、モンシロチョウは一つの葉に一つしか卵を産み付けないのに対し、
コナガは一つの葉に集中して卵を産み付けるため、
早期の段階でハチを大量に呼び被害を事前に抑えているのではないか、としている。
キャベツが虫を識別する仕組みは、
幼虫の唾液などによって判断しているのではないか
と推測している。
これから研究を進め、
植物が昆虫を見分けるメカニズムを解明したい、とのこと。