ヒトも4次元世界がみられる!?

 

前回の記事で
鳥は紫外線もみることが出来る。
かれらの視覚は4次元である。
という話をした。
(過去記事:人には分からない第4次元、光の『4原色』

しかし、人間にも4次元の視覚を持つ物がいる。
そしてそれは女性に限定されているという。
その秘密は――。

色をみるための色覚受容体を作る遺伝子は
男女を決定づける染色体に入っている。

遺伝子というのは
46本の染色体と呼ばれる物に分かれて細胞に入っているわけだが、

染色体は一種類につき通常2本あり、
詰まる所23組の染色体ペアを我々は持つわけである。

このうち今回のテーマの鍵となる男女を決定づける遺伝子は、
次の2タイプの染色体の組み合わせによって男女を決定づけている。

XY・・・男
XX・・・女

X、Yというのは染色体の種類で、
Xが二つ揃うと女性になり、
片方がYになると男性になります。

ここでX、Y等と表記するのは
もともと染色体の形が『X』字型をしているからです。

それで、
なぜ男性かを決定づける染色体がYかと言えば
男性の染色体は、Xが突然変異して、
一部欠落した『Y』字型に似たものだから。

男性の寿命が短いのはこの欠落に起因するとかしないとか・・・。

それはさておき、

さて、色覚受容体の遺伝子情報は、
一部欠落してしまったY染色体の中にはなくて、
X染色体の中に入っています。

そしてたまに、X染色体の中の
色覚受容体の遺伝子が変異してしまうことがあります。

この変異で赤・緑の両方が混ざったハイブリッドな色覚受容体ができると
短い波長の光(紫外線は波長が短い)を捉えることが出来る様になります。

男性の場合、色覚受容体を作る唯一のX染色体が変異してしまうと
赤と緑がよく識別できない色覚障害となってしまいます。

ところが女性の場合、二つあるX染色体のうち片方が変異しても
もう片方が正常な色覚受容体を作れば、
赤、緑、青、長波長の
4種類の光を捉える色覚受容体が生成されることになります。

こんなカラクリで、
女性だけ、4次元の視覚を手に入れて生まれることが
まれにあるのです。

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コメント

コメント(2)

  1. 匿名 on

    本文中に紫外線は波長が長いとの記述がありますが、紫外線は可視光よりも短波長ですよ

    返信

    • にわタコ on

      ありがとうございます、訂正しました。

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