大阪府立高校の教員と生徒3人が
機内検疫で新型インフルエンザに感染していることが発覚し
3人が隔離、濃厚接触者49人が検疫法に基づき停留措置となった。
停留措置の対象者はホテルで缶詰め状態となっているが
新たに一人の感染者が確認されるなど、その成果は出ている。
しかし、最初に感染が確認された3人のうち、
生徒1人は機内の検疫で異常は見つからず、
飛行機から降りたところで体調不良を訴えたため
詳しい検査をしたところ感染が確認された。
このときすでにこの生徒の周りにいた搭乗客は
機外に出ていたため停留措置を取ることができなかった。
本来は停留措置となるはずで入国した人の
居住都道府県とその人数は
京都府 4人
神奈川県 3人
埼玉県 2人
青森県 1人
茨城県 1人
東京都 1人
の合計12人となっている。
厚生労働省は濃厚接触者であることの連絡と
通常よりも厳しい健康チェックの要請を
各自治体にしたとしているが、
連絡は受けていない とする自治体があるなど
情報の伝達が正確にできていない様子。
このうち京都市が独自に調査し4人を特定、
説得の上宿泊施設で停留措置を取っている。
また青森県も外出自粛を要請、
茨城県は自宅待機を要請した。
停留措置の対象となった49人から
1人の感染者が確認されているため、
検疫をすり抜けた12人の中にも
感染者がでる可能性が十分あるので注意が必要なようだ。
新型インフルエンザ検疫・停留措置すり抜け問題
乳児・三鷹女性、新型陰性
A型インフルエンザに陽性反応を示し
新型の感染を疑われていた横田基地の米国籍乳児ですが、
国立感染症研究所による検査の結果、
Aソ連型であったことがわかりました。
また発熱などを訴えてA型の陽性反応を示した
米カリフォルニア州から28日に帰国の
東京都三鷹市の40代女性は、
横浜市衛生研究所の検査の結果
A香港型であったことがわかりました。
現在日本国内に感染が確認された人、
および感染の疑いのある人はいません。
~インフルエンザNEWSトピックス~
・カナダで『人→豚』の感染が確認されたそうです。
・空港で検疫官が不足しているそうです。
タイからの便に搭乗していた160人が
サーモグラフィーチェックなしで入国してしまいました。
今日ふと立ち寄った店で流れていたラジオで
政府関係者の舛添大臣への不満の声が伝えられていました。
検閲官の不足や最前線関係者の不満…
非常に厳重な体制を敷いていますが
その下で働く人達に無理がいくなど、
運用面で問題が出てきている様です。
理論上完璧な体制でも
それが運用できなければ意味がありません。
水際対策はウイルスが侵入しない限り続きます。
いかに長期にわたってこの体制を維持できるかが
今後の課題であると思います。
また、危機管理計画を練る段階で
長期化した場合どう継続して維持するかを
考えておく必要があるのではないでしょうか。
・・・この前、
ギザ十の記事を書きましたが、
またギザ十が手に入りました。
昭和30年のものです。
これで京都に来て6枚目、
そして初の昭和30年代です。
名古屋のインフルエンザ男性は香港型
アメリカから一時帰国していたトヨタの男性社員が
名古屋市の医療機関で診察を受け、
簡易検査でA型インフルエンザの陽性反応がでました。
名古屋市衛生研究所がPCR法(遺伝子検査)で検査し、
結果H3型の香港型であり、
H1型の新型インフルエンザではないことが確認されました。
また横田基地のアメリカ人乳児の検査は
当初アメリカへ検体を送っての検査が考えられていましたが
国立感染症研究所で検査が行われることになったようです。
※検査開始から結果が出るまでにかかる時間は
PCR法の検査は6時間、
確定診断の検査は1~2日です。
現在、国内の
新型インフルエンザ感染確認は0件、
疑いが有り検査中が1件、
検査で新型でないことが確認されたのは3件です。
・なぜ検査に時間がかかるのか
現在日本には新型インフルエンザのDNAがありません。
そのため最終的に断定するには確定診断(1~2日)が必要です。
10日には米から国内各製薬会社にウイルス株が提供される予定で
ウイルスのDNAが手に入ればPRC法でも
新型インフルエンザの判定ができるようになるそうです。
またワクチンの製造も可能になります。
~最新情報~
香港を訪問中のメキシコ人男性が
新型インフルエンザに感染していることが確認されました。
アジアで初の新型インフルエンザ感染者です。
横田基地、名古屋でA型インフルエンザ
前回の記事で、
ロサンジェルスから成田空港に到着した女性より
インフルエンザウイルスA型の陽性反応が出たことを取り上げました。
その後横浜市の男子高校生も国内でA型を発症していたことが報じられ、
さらに米軍横田基地へ到着した乳児からA型陽性、
名古屋の発生国へ渡航していた人からもA型陽性反応がでました。
今回はこれら四件についての情報と、
インフルエンザウイルスの検査方法について取り上げます。
成田空港でA型インフルエンザ陽性反応が出た女性は
A香港型であることが分かりました。
また未明に記者会見で発表された横浜の男子高校生も、
Aソ連型であることが分かりました。
しかし、
アメリカ発・アメリカ軍横田基地着のチャーター機に乗っていた乳児は
A型の陽性反応を見せ現在詳細検査中です。
乳児と母親、周囲に搭乗していた人13名は
感染していないことが判明するまで隔離されることになっています。
検体はアメリカ本国へ送って検査する予定で、
その場合は検査結果が出るまで3~4日かかります。
このため日本側は、
日本で検査を行う用意があるとアメリカ側に伝えたようです。
そして名古屋のA型感染者については
このあと5月1日午後11時30分から
記者会見が行われる予定です。
すでに詳細検査に着手している模様です。
というわけで現段階で、
検査によって新型インフルエンザであると確定された人物は
日本国内には存在しません。
また、
新型インフルエンザウイルスに感染している可能性があり
検査結果を待っている人物は
横田基地の乳児と、名古屋の方の2名です。
(分かっているのはA型インフルエンザであることのみ)
さて、
『感染の疑い』『判定不能』『香港型でした』『ソ連型でした』…
いろいろ情報が発表され身構えていると
なんだ大丈夫だったのか。。。と思うのですが
いったいどの情報をどのように受け取ればいいのでしょうか。
数段階に分けられている
インフルエンザウイルスの検査について
詳しいことがわかったので紹介します。
※ウイルスの型については前回の記事をご覧ください。
~新型インフルエンザウイルス検査方法~
第一段階:簡易検査
A型インフルエンザかB型インフルエンザを調べます。
新型インフルエンザや香港型、ソ連型など、
多くの流行性のインフルエンザはA型に属します。
簡易検査でA型であるという結果が出ると、
『新型インフルエンザ感染の疑いあり』とされ
つぎの検査段階へ進められます。
第二段階:PCR法(遺伝子検査)
インフルエンザウイルスの遺伝子を解析します。
ウイルスはHとNのたんぱく質で構成されています。
Hには13種類、Nには9種類ありますが、
H3N2の組み合わせが香港型、
H1N1の組み合わせが
ソ連型、または新型インフルエンザです。
成田空港でA型陽性が出た女性はこの段階で
H3N2型(香港型)であることが判明し、
新型インフルエンザではないとされました。
しかし横浜の高校生はここで『判定不能』と出たため
同時に検査を開始していた確定検査の結果を待つことになりました。
第三段階:確定診断
ウイルスがH1N1であった場合、
ソ連型なのか新型なのか、詳細な検査を行います。
横浜の高校生はここでH1のウイルスは人のもので
豚のものではない、つまりソ連型であるということが分かりました。
豚インフルエンザ国内患者か
ついに新型インフルエンザの疑いのある患者が日本に入った。
これはビッグニュースなるか、と思い調べてみたのですが、
どうやら現段階での判断は難しいようです。
調べて分かったインフルエンザについての情報と、
そこからわかる今回の件の解説をお届けします。
そもそもインフルエンザには3つのタイプがあります。
A型とB型とC型で、それぞれ次のような性質があります。
A型は鳥、豚、馬、人に感染する。
毎年流行する香港型、ソ連型、
そして今回の新型インフルエンザが属するのがこのA型である。
B型は人とアシカのみに感染し、
感染対象が少ないためパンデミックが起きにくい。
C型インフルエンザウイルスは人と豚に感染するが
ウイルスが安定しており毎年変異するといったことはなく
パンデミックになることはない。
小児期に感染すれば呼吸器感染症の原因になることがあるが
通常は軽い風邪のような症状である。
要するに、
A型は流行って、
B型、C型は滅多に流行らない。
ということ。
今回の件では
ロサンジェルスから来た女性が、
A型インフルエンザに感染している可能性がある。
ということだけなので、
現段階ではソ連型なのか香港型なのか、
それとも新型なのか、分からない状態です。
これがはっきり判るのが
5月1日(午前7時?)から行われる記者会見での発表です。
遺伝子調査による原因ウイルスの分析によって
感染疑いの女性のインフルエンザウイルスの正体が明らかにされます。
ところで、
A型ウイルスはよく鳥インフルエンザが取り上げられていました。
鳥の間で流行しているのはA型の中でもH5N1型といわれるタイプで
(インフルエンザウイルスはH16種とN9種の組み合わせ)
多くの人は現在このH5型の免疫を持っていません。
したがって、鳥の間で流行っているH5のウイルスが
変異によってヒトに感染するようになった場合、
大流行し、また重症となる可能性が大きいのです。
そのため政府や各機関は
H5インフルエンザ対策に力を入れることになったのです。
しかし、今回H1インフルエンザが豚からヒトに感染し、
爆発的に感染が広がり死者も出ることになりました。
今回のブタインフルエンザはH1N1型ですが、
毎年流行る『ソ連型』もH1N1型で、
1918-1919年にパンデミックを起こしたスペインかぜもH1N1型です。
メキシコでは最初に患者が出た時、
ウイルスを解明できず、カナダに検査を依頼。
メキシコ政府が感染拡大防止に動き出したのは
10日経って検査結果が返ってきてからのことで、
その時には既に感染者は千人に拡大していました。
~WHOの発表するフェーズ○とは~
2003年、新型肝炎SARSが発生しました。
このとき、一国だけによる感染対策は困難だったことを受け、
WHOが警報フェーズを発表し、
世界各国がそれに応じて対策をとる体制を作りました。
それが2005年でした。
その後、鳥インフルエンザの際に
『人から人への感染は無いか限定的』
のフェーズ3が出されたことがあります。
そして2009年4月、
ブタインフルエンザがヒトからヒトに感染し
『人から人への感染が増加している証拠がある』
というフェーズ4が史上はじめて出されました。
そして二日後には、
『かなりの数の人同士の感染証拠がある』
フェーズ5が出され、さらに記録を更新しました。
たった二日でフェーズが引き上げられ、
パンデミック(効率良く持続した人同士の感染)
まであと1段階に迫っている現在、
出来ることはなんでしょうか。
豚インフルエンザの予防には、
通常のインフルエンザの予防が同様に効果があります。
・栄養を取って体力をつける
・十分な休養で抵抗力をつける
・『寒い』と『乾燥』を避ける
・手洗いうがい
・マスクをして、人込みを避ける
そしてもし体調が悪ければ、
すぐ病院へ行くようにしましょう。
健康な状態を保でば抵抗力を高く保てます。
仮に豚インフルエンザだった場合も、
早い段階であれば症状を軽くできる可能性があります。
これはタミフルがウイルスの増殖を抑える薬だからです。
早ければ早いほど効果があります。
~最後に~
もし今回の感染疑いの女性が
豚インフルエンザではなかったとしても、
インフルエンザには潜伏期間があります。
機内検疫で陽性反応の出なかった人が
しばらくしてから国内で発症する可能性があるのです。
フェーズ5――パンデミック前夜です。
パンデミックになったからみんな罹るのではありません。
みんなが罹るからパンデミックになるのです。
予防と健康管理を今から心掛けましょう。