豚インフルエンザ国内患者か

 

ついに新型インフルエンザの疑いのある患者が日本に入った。
これはビッグニュースなるか、と思い調べてみたのですが、
どうやら現段階での判断は難しいようです。
調べて分かったインフルエンザについての情報と、
そこからわかる今回の件の解説をお届けします。
そもそもインフルエンザには3つのタイプがあります。
A型とB型とC型で、それぞれ次のような性質があります。
A型は鳥、豚、馬、人に感染する。
毎年流行する香港型、ソ連型、
そして今回の新型インフルエンザが属するのがこのA型である。
B型は人とアシカのみに感染し、
感染対象が少ないためパンデミックが起きにくい。
C型インフルエンザウイルスは人と豚に感染するが
ウイルスが安定しており毎年変異するといったことはなく
パンデミックになることはない。
小児期に感染すれば呼吸器感染症の原因になることがあるが
通常は軽い風邪のような症状である。
要するに、
 A型は流行って、
 B型、C型は滅多に流行らない。
ということ。
今回の件では
 ロサンジェルスから来た女性が、
 A型インフルエンザに感染している可能性がある。
ということだけなので、
現段階ではソ連型なのか香港型なのか、
それとも新型なのか、分からない状態です。
これがはっきり判るのが
5月1日(午前7時?)から行われる記者会見での発表です。
遺伝子調査による原因ウイルスの分析によって
感染疑いの女性のインフルエンザウイルスの正体が明らかにされます。
ところで、
A型ウイルスはよく鳥インフルエンザが取り上げられていました。
鳥の間で流行しているのはA型の中でもH5N1型といわれるタイプで
(インフルエンザウイルスはH16種とN9種の組み合わせ)
多くの人は現在このH5型の免疫を持っていません。
したがって、鳥の間で流行っているH5のウイルスが
変異によってヒトに感染するようになった場合、
大流行し、また重症となる可能性が大きいのです。
そのため政府や各機関は
H5インフルエンザ対策に力を入れることになったのです。
しかし、今回H1インフルエンザが豚からヒトに感染し、
爆発的に感染が広がり死者も出ることになりました。
今回のブタインフルエンザはH1N1型ですが、
毎年流行る『ソ連型』もH1N1型で、
1918-1919年にパンデミックを起こしたスペインかぜもH1N1型です。
メキシコでは最初に患者が出た時、
ウイルスを解明できず、カナダに検査を依頼。
メキシコ政府が感染拡大防止に動き出したのは
10日経って検査結果が返ってきてからのことで、
その時には既に感染者は千人に拡大していました。
~WHOの発表するフェーズ○とは~
2003年、新型肝炎SARSが発生しました。
このとき、一国だけによる感染対策は困難だったことを受け、
WHOが警報フェーズを発表し、
世界各国がそれに応じて対策をとる体制を作りました。
それが2005年でした。
その後、鳥インフルエンザの際に
『人から人への感染は無いか限定的』
のフェーズ3が出されたことがあります。
そして2009年4月、
ブタインフルエンザがヒトからヒトに感染し
『人から人への感染が増加している証拠がある』
というフェーズ4が史上はじめて出されました。
そして二日後には、
『かなりの数の人同士の感染証拠がある』
フェーズ5が出され、さらに記録を更新しました。
たった二日でフェーズが引き上げられ、
パンデミック(効率良く持続した人同士の感染)
まであと1段階に迫っている現在、
出来ることはなんでしょうか。
豚インフルエンザの予防には、
通常のインフルエンザの予防が同様に効果があります。
・栄養を取って体力をつける
・十分な休養で抵抗力をつける
・『寒い』と『乾燥』を避ける
・手洗いうがい
・マスクをして、人込みを避ける
そしてもし体調が悪ければ、
すぐ病院へ行くようにしましょう。
健康な状態を保でば抵抗力を高く保てます。
仮に豚インフルエンザだった場合も、
早い段階であれば症状を軽くできる可能性があります。
これはタミフルがウイルスの増殖を抑える薬だからです。
早ければ早いほど効果があります。
~最後に~
もし今回の感染疑いの女性が
豚インフルエンザではなかったとしても、
インフルエンザには潜伏期間があります。
機内検疫で陽性反応の出なかった人が
しばらくしてから国内で発症する可能性があるのです。
フェーズ5――パンデミック前夜です。
パンデミックになったからみんな罹るのではありません。
みんなが罹るからパンデミックになるのです。
予防と健康管理を今から心掛けましょう。

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