ファイル共有ソフトにLimeWireというものがある。
他にもファイル共有ソフトにはWinnyやShareなどが知られているが、
これらのファイル共有ソフトが個人によって開発された物であるのに対し、
LimeWireの開発元はアメリカの会社である。
その開発元の会社名がLimeGroupなのだが、この会社、
全米レコード協会に著作権侵害と著作権侵害ほう助で訴えられ、
5月にアメリカ連邦地方裁判所における略式裁判により
協会側の主張を認める判決がだされている。
要するにLimeGroupは
『LimeWireを作ったことは犯罪です』と
裁判で言い渡されたのだ。
さらに今月(6月)になると、
全米音楽出版社協会がLimeGroupを著作権侵害で連邦裁判所に提訴。
LimeWireによる著作権侵害の中止と共に
最大一楽曲辺につき15万ドルの補償を求めている。
一度裁判で著作権違反であると認められているので
少なからず全米音楽出版社協会の要求が通ることが考えられる。
さて、ここで疑問なのが、
なぜLimeGroupはわざわざLimeWireを開発し
著作権違反と言われながらも運営を続けるのかという事である。
LimeWireのファイル共有ネットワークは
専用のソフトがあれば無料で利用できる。
そして専用ソフトも無料で利用でき、
プログラムはオープンソースである。
オープンソースというのは、プログラムが公開されていて
それを見て他の人がそれを基にオリジナルに手を加える事が出来る物だ。
『カボス』というソフトの名前を聞いたことがある人がいるかもしれないが
これがLimeWireを基に独自に開発されたソフトで
カボスはLimeWireのネットワークを使っているのだ。
(カボスも無料ソフトウェア)
ともかく、
ネットワークもそれに接続するソフトも無料で、
一見何処からも儲けが出ないのに、
なぜ訴えられるリスクを負ってまでLimeWireを開発・運営するのか。
・・・LimeGroupの収益源は。
少なくとも一つは、有償版ソフトウェアの販売のようである。
LimeWireには無料のBASICと有料のPROがあり、
PROではBASICに比べてダウンロードがより高速化する。
さらに、電子メールサポートも受けることが出来る。
LimeGroupは
ニューヨークとボストンにオフィスがある、
なかなか裕福な会社なようで、ほかにも
Tower Research Capital
Lime Brokerage
Lime Capital
などと言ったビジネスと展開しているのだそう。
また、LimeGroupは新たに
合法的なサービスを提供するサイトを立ち上げ、
「業界全体に対する補償となるような
新しい音楽サービスとビジネスモデルについて、
音楽レーベルや出版社、アーティストと
有意義なミーティングを繰り返している」
らしい。